オンラインカウンセリングの特徴
オンラインカウンセリングの最大の特徴は、その利便性の高さにあります。対面カウンセリングはお互いが特定の場所に出向いて行う必要があるため、相談機関が都市部に集中していることが問題でした。
それに対して、オンラインカウンセリングは通信環境さえ整っていれば、どんな場所でも実施が可能であるという点が大きなメリットであるといえます。移動時間などの制約も少なくなるために、時間的な効率がよくなることも、より手軽に心理援助サービスを受けられるということでは重要です。
遠隔相談特有の問題
その一方で、遠隔相談特有の問題も生じる可能性があります。まずは、通信機器の問題です。受け手側と送り手側、双方が安定し(そして安価な)通信回線を用意している必要があります。また、秘密保持のために、しっかりと暗号化された通信を利用する必要もあります。そして、カウンセリングを受けている間にしっかりとその場でのプライバシーも確保されていることが大切です。例えばいつ家族が自室に入ってくるかわからない、そうした空間では、なかなか落ち着いて相談をうけることは難しい場合もあると考えられます。
また、普段のカウンセリングでは用いている、表情や声色、しぐさなどの非言語的情報も使うことが難しいため、誤解が生じやすいとされています。他にも、対面してないがゆえに衝動的に自他を傷つけるような行為をしてしまったとき、それを止める手段がないということも問題として挙げられる場合があります。
こうした問題はあるものの、オンラインカウンセリングはより多くの人に心理援助サービスを届ける、大きな可能性をもっているということができます。
オンラインカウンセリングを受ける前に準備すること
安全で安定したインターネット接続手段を用意する
インターネットを通じて行うため、安定して安全なインターネット接続手段を用意することが重要です。スマートフォンでも実施可能ですが、その場合は大容量通信が可能となるような契約であることが好ましいでしょう。公共/フリーWifiは秘密漏洩の可能性があるため、オンラインカウンセリングに利用することは適しません。
プライベートな環境を用意する
オンラインカウンセリングの間、邪魔されることがない、プライベートが守られた時間と場所が確保されていることが大切です。鍵のついたドアで隔たれた部屋でセッションが行われることが理想です。鍵がかからない場合、そこに人が入らないように周囲の人に配慮を求めるとよいでしょう。そのため、家族や親しい人間がカウンセリングを受けることについて理解してくれていることが好ましいでしょう。また他にも、ヘッドゼットやマイク付きイヤフォンを使用することで、音が漏れたり聞き逃しが少なくすることができます。
緊急連絡手段を用意する
機器の問題でセッションが途切れてしまったとき、すぐに連絡が取れるようにカウンセラーとの代替の連絡手段を確保しておく必要があります、ただし、この回線はカウンセリング以外では使わないという約束をしておくことも大切です。またカウンセリング中やセッションの合間に不安定になってしまうことに備えて、対面で利用できるような医療機関や、サービスを確保しておくことも大切となります。
インフォームドコンセントを行う
こうした事前準備や緊急手段、またカウンセリングを安全に行うことができるために必要な約束を、カウンセリングをスタートする前にしっかりとしておくことが必要です。これを専門用語ではインフォームドコンセントと呼びます。9Bのオンラインカウンセリングでは、インテーク面接の後と初回カウンセリングの開始時と、二度にわたってインフォームドコンセントを行い、安定した心理援助サービスが提供できるように努めて参ります。